2015年07月19日
老人喰い
老人喰い
鈴木 大介(著)
ちくま書房
2015年2月10日 発行
2015年7月 点訳
金を貯めている高齢者はこの本を参考にして騙されないようにくれぐれも用心に用心をしなければならないと感じました。
第1巻
被害者の8割以上が60歳以上の高齢者。
経済弱者である若者が経済強者である高齢者に向ける反逆の刃である。
共通するのは彼らが非常に優秀で異常なほどの高いモチベーションの持ち主だったことだ。
20代から30代の若者、地味なスーツに身を包むが眼光は鋭い。
身元の分かるものは一切持たない。
警察の手入れを受けないように徹底してオレオレ詐欺類似行為をしている。
芋づる式につかまらないように、彼らはお互い連絡先すら交換しない。
プレーヤーたちはしもんを取られないようにエレベーターのボタン、インターフォンなどもげんこつで押す。指では押さない。
とにかく疑われないように服装から行動まで徹底教育訓練されている。
そのターゲットは、現金を抱えこんで騙されやすい高齢者。
女性の名前で電話登録されていれば独居老女の可能性が高い。
やられ名簿、すなわち過去にだまされた高齢者のデータが取引されているのだ。
優しい声で、高齢者の安全を確保するための調査などと警察の者だとか国税庁さ員などと名乗り、いろいろな調査員を装って電話をかけてデータを補充して行くようだ。
不安を抱えた高齢者は個人情報を詳しく教えてくれると言う。
金を持っていて、孤立した判断能力の衰えた高齢者が狙われる。
電車の音、ホームの音、デパート内の音、さまざまなバックグランドの音を出しながらターゲットに電話する。
3人、4人と役割を変えて演じて相手をだます。
メールは証拠が残るので連絡は電話のみ。
老人食いの手口はさまざまに変化しより巧妙に進化している。
つかまりやすいのはメッセンジャー(配達人)と呼ばれるバイトたちだろう。
もし、詐欺店舗の番頭、店長、プレーヤーを逮捕しても患部はわからない。
第2巻
プレーヤーは地獄の特訓を潜り抜けたつわものなんですね。
特訓も巧妙で仕込みと言われるさくらも混じって緊迫感を醸し出すのですね。
最初はスクリプトを観ながら、あるいは暗記しての営業電話の特訓もスゴイですね。
そして振り込め詐欺の事務所へ送られる。
「詐欺は犯罪化?」
「間に商材が介入していればだまされたとしても犯罪を証明するのは困難ではないか?」という論理。
60歳以上の高齢者の平均貯蓄額は2千万円、平均受給年金額は28万円、これは工業団地で働く青年の月給と同じだ。
そして死ぬとき平均遺産額は3千万円。
老人は日本の癌、という論理。
そんな金持ちの老人から金をだまし取るのに罪悪感は感じない、という論理。
詐欺に成功したら1割、基本給50万円。
年間2千万円~5千万円稼ぐプレーヤーも居るという。
プレーヤーが逮捕されることはめったにないらしい。
たとえ逮捕されても最長8年間監獄で過ごせば済むと言う。
肝心かなめの「洗脳研修」が具体的にどのようなものかはこの本からはよくわからないが、極めて厳しく、高度、かつ巧妙な研修のようだ。
日本の高齢者に富が集中しているというが、私は温度差を感じる。
第3巻
2003年 闇金業者→オレオレ詐欺
→店舗番頭>プレーヤーというヒエラルヒー
2008年 リーマンショック、 ネットカフェ難民などがプレーヤーに。
さまざまなプレーヤーが紹介されているが、生い立ちは貧乏が多いようだ。
ターゲットとなる高齢者たちの名簿には預金や有価証券などはもちろんタンス預金をどれくらいしているとかまでのデータが記載されているようだ。
回収専門の店舗グループがあるようだが、回収して盗まれることや、ヤクザが絡むこととか、さまざまな予期せぬ事態もあるようだ。
とにかく監視カメラを避けるルートを通るようだ。
著者は現代の社会がもたらすものだと述べている。
以上読み終えて詐欺は犯罪だとしりながら変な論理で大義名分を振りかざして悪事を否定していないようなこの本には納得がいきません。
鈴木 大介(著)
ちくま書房
2015年2月10日 発行
2015年7月 点訳
金を貯めている高齢者はこの本を参考にして騙されないようにくれぐれも用心に用心をしなければならないと感じました。
第1巻
被害者の8割以上が60歳以上の高齢者。
経済弱者である若者が経済強者である高齢者に向ける反逆の刃である。
共通するのは彼らが非常に優秀で異常なほどの高いモチベーションの持ち主だったことだ。
20代から30代の若者、地味なスーツに身を包むが眼光は鋭い。
身元の分かるものは一切持たない。
警察の手入れを受けないように徹底してオレオレ詐欺類似行為をしている。
芋づる式につかまらないように、彼らはお互い連絡先すら交換しない。
プレーヤーたちはしもんを取られないようにエレベーターのボタン、インターフォンなどもげんこつで押す。指では押さない。
とにかく疑われないように服装から行動まで徹底教育訓練されている。
そのターゲットは、現金を抱えこんで騙されやすい高齢者。
女性の名前で電話登録されていれば独居老女の可能性が高い。
やられ名簿、すなわち過去にだまされた高齢者のデータが取引されているのだ。
優しい声で、高齢者の安全を確保するための調査などと警察の者だとか国税庁さ員などと名乗り、いろいろな調査員を装って電話をかけてデータを補充して行くようだ。
不安を抱えた高齢者は個人情報を詳しく教えてくれると言う。
金を持っていて、孤立した判断能力の衰えた高齢者が狙われる。
電車の音、ホームの音、デパート内の音、さまざまなバックグランドの音を出しながらターゲットに電話する。
3人、4人と役割を変えて演じて相手をだます。
メールは証拠が残るので連絡は電話のみ。
老人食いの手口はさまざまに変化しより巧妙に進化している。
つかまりやすいのはメッセンジャー(配達人)と呼ばれるバイトたちだろう。
もし、詐欺店舗の番頭、店長、プレーヤーを逮捕しても患部はわからない。
第2巻
プレーヤーは地獄の特訓を潜り抜けたつわものなんですね。
特訓も巧妙で仕込みと言われるさくらも混じって緊迫感を醸し出すのですね。
最初はスクリプトを観ながら、あるいは暗記しての営業電話の特訓もスゴイですね。
そして振り込め詐欺の事務所へ送られる。
「詐欺は犯罪化?」
「間に商材が介入していればだまされたとしても犯罪を証明するのは困難ではないか?」という論理。
60歳以上の高齢者の平均貯蓄額は2千万円、平均受給年金額は28万円、これは工業団地で働く青年の月給と同じだ。
そして死ぬとき平均遺産額は3千万円。
老人は日本の癌、という論理。
そんな金持ちの老人から金をだまし取るのに罪悪感は感じない、という論理。
詐欺に成功したら1割、基本給50万円。
年間2千万円~5千万円稼ぐプレーヤーも居るという。
プレーヤーが逮捕されることはめったにないらしい。
たとえ逮捕されても最長8年間監獄で過ごせば済むと言う。
肝心かなめの「洗脳研修」が具体的にどのようなものかはこの本からはよくわからないが、極めて厳しく、高度、かつ巧妙な研修のようだ。
日本の高齢者に富が集中しているというが、私は温度差を感じる。
第3巻
2003年 闇金業者→オレオレ詐欺
→店舗番頭>プレーヤーというヒエラルヒー
2008年 リーマンショック、 ネットカフェ難民などがプレーヤーに。
さまざまなプレーヤーが紹介されているが、生い立ちは貧乏が多いようだ。
ターゲットとなる高齢者たちの名簿には預金や有価証券などはもちろんタンス預金をどれくらいしているとかまでのデータが記載されているようだ。
回収専門の店舗グループがあるようだが、回収して盗まれることや、ヤクザが絡むこととか、さまざまな予期せぬ事態もあるようだ。
とにかく監視カメラを避けるルートを通るようだ。
著者は現代の社会がもたらすものだと述べている。
以上読み終えて詐欺は犯罪だとしりながら変な論理で大義名分を振りかざして悪事を否定していないようなこの本には納得がいきません。
Posted by 熊さん at 18:53│Comments(0)