熊さんの読書感想文

介護ヘルパーは見た
藤原るか / 著
株式会社幻冬舎

２０１２年9月30日　　発行
２０１３年３月　　点訳

　フジワラルカさんは、ヘルパーです。


　よくぞこの本を出版してくれたと思います。

　後期高齢者と言われる75歳以上になると急に医療費が増えたり、介護を必要となる人が増えてきます。

　ご近所を見渡しても痴呆の人、介護を受けている人々が目立つようになりました。

　ヘルパーは自給ですし、移動時間は労働時間に含まれませんので実質収入はとても生活できるに十分なものではありません。

　確かに介護保険制度を維持するには経済的問題も多いかもしれませんが、もっとヘルパーの労働条件の改善と、被介護者への改善を求めたいものです。

　youtubeを見てください。
　http://www.youtube.com/watch?v=lcbo-CS2-vc

　気にかかることを少しメモしておきます。


第１巻

１．　８５歳以上では４人ニ１人が痴呆症になるのです。

　決して他人事ではありません。

　あなたかもしれません。あなたの家族化もしれません。

　大切なことは、それを受け入れることです。




２．　認知症は薬３割、ケア７割で改善する。

　お年寄りの興味や関心を引き出して、意欲を引き出すことが大切です。

　認知症ケアに必要なのは、
　＿ユックリ・ユッタリ・ノンビリ＿
　ノミッツデス。


３．　１カ月１万円の食費でやりくりスル年金受給者

　ここでは人工透析を受けているＦさんの例が紹介されています。

　年金収入　９万円

　家賃　４万円

　通院費（タクシー代金）　２．５万円

　光熱費　１万円

　介護保険費など　５千円

　すると１万円しか残りません。

　これが食費、１カ月の食費となるのです。

　ヘルパーがいかに工夫して料理しているかが伺われます。

　具体的な食材などはこの本を読んでください。

　生活保護を受けている人々より悲惨な生活を送っている現実をみなさんどう思われますか？


第２巻

４．　子供のいない夫婦の骨わ誰が引き取る？

　夫が早死にした妻の例が紹介されています。

　親戚の中にも認知症の寝たきり老婆を引き取る人は居ません。

　夫も元気なうちに遺言を書いておくべきでしたね。

　結局介護施設に入居させることになったそうです。

　しかし、夫の遺骨もどうなったかわからないそうです。



５．　親を施設に入れたくない子供たちの事情

　９０歳の老女。子供は５人。

　子供が多くて、財産が絡むと家庭事情も複雑になります。

　財産が無いのもみじめですが、あるのも悩みのたねですね。


６．　１人暮らしのお年寄りに多い孤立死

　私の記憶でも孤独死した芸能人が幾人か居ます。昔華やかだったスターだって。

　ヘルパーの訪問でこの孤立死を避けることだってできるのです。



７．　介護保険制度をうまく利用するコツ

　誰にでも介護は訪れるのです。

　人口ピラミッドの推移を見れば容易に予測できることです。

　この本だけでなく、書店でもネットでも知識を得ることはできます。

　普段から意識しておきましょう。

　介護を受けるにあたり、決め手は医師の意見書です。



８．　へるぱーが見たグループホームの実態

　私もヘルパーさんたちとの付き合いもありますが、実態はこの本の通りだと思います。

　経営を主にすると十分なケアができないのが現実でしょう。

　確かにさまざまな施設があるので一概には言えないかもしれませんが、ここにも問題があるようです。

　特別養護老人ホームは経済的負担は少ないかもしれませんが、人員体制の面でも問題がありそうです。

　１億円の老人ホームでも問題は同じようです。

　早めに好ましい老人ホームを探しておきましょう。


９．　介護保険の改正で貧困化する

　　介護保険でも障害者自立支援法でも改正されるごとに厳しくなってきています。

　経済的締め付けが益々強くなってきています。

　このままでは事業所の経営が成り立たないばかりでなく、被介護者も介護を受けられなくなりそうです。

　政府の根底の考えは、老人は早く死になさい。そうすれば国の経済的負担が軽減されます。と言っているように思えてなりません。


　以上、少しメモしましたが、実態は問題を孕んだままで介護保険制度は被介護者にとって厳しい方向へ改悪されようとしています。

　先のことはわかりませんが、こういうことも念頭に置いて今、この時間を充実して生きたいと思います。

　痴呆症にならないように、寝たきりにならないように、毎日少しの運動と少しの教養を身につけましょう。

　誰も助けてくれません。

　自らが自らの将来をどうすべきか考えて行動することが大切だと思います。

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